米メディアがカンボジアの「中国化」を批判
「心理作戦だ」とカ側が反論
- 2019/8/12
さらに社説は、同レポートが「特にコッコン州で中国の影響が顕著に見られる」と指摘していることや、「中国がコッコンに建設中の新港を軍事拠点にしようとしている明確な根拠はないが、この新港は中国のフリゲート艦や駆逐艦を受け入れるのに十分な広さを持つ」「新港の周辺で建設が進む病院や娯楽施設は、タイ湾やマラッカ海峡でパトロールにあたっている中国人民解放軍を受け入れるためだとも考えられる」というオーストラリア国立大学ジェフ・ウェイド教授のコメントを引用していることに触れ、「今回のウォールストリート・ジャーナル紙の報道は、この2018年のレポートに多少なりとも影響されている、と主張している。
その上で社説は、「ウォールストリート・ジャーナル紙の記事は、カンボジアを米中対立の矢面に立たせるものだ」と主張し、「<中国化するカンボジア>という同紙の中傷こそが、カンボジアを米中対立の道具に利用するものだ」と強い口調で非難している。
米国の狙いは、カンボジアの「スリランカ」化か?
それでは、「ワシントンの本気の心理作戦」の目的とは何か。クメール・タイムズ紙の社説は、「米国はカンボジアを、スリランカと同様に米中対立の最前線にしようとしている」との見方を示す。実際、スリランカでは、米軍が港湾に自由にアクセスできることを規定した軍事協定の締結をめぐり、米中の間で紛糾が続いているためだ。「米国は、カンボジアに対しても同様の影響力を持とうとしているのではないか」と社説は警戒の姿勢を隠さない。
さらに、クメール・タイムズ紙は、「国家は、国境を接する隣国を選ぶことはできない。しかし、頼りになる友人を選ぶことはできる」「カンボジアが膨大なインフラ整備を必要としているときに、手を差し伸べてくれたのが友人である」と指摘し、次のように述べて米国を非難する。「カンボジア政府は、国土を外国に軍事利用させることなど計画していない」「米国は、もともとコッコン州に注目していたが、次第にシアヌークビルやレアムの港湾へと関心を向けるようになり、同じように中国との関係を邪推するようになった」「今の時代、衛星をはじめ、さまざまな監視システムがあり、第三国に気付かれることなく動くことなど不可能だ。疑わしいと言うなら、疑念を言い出した方が立証すべきだ」
その上で、社説は、「中国とカンボジアが共同声明を出さないことも問題だ。共同声明を出せば、こうした憶測はおさまり、われわれは国の発展のために一層努力できるはずだ」と述べ、カンボジアが中国と共同で、より明確な反論を出すことを求めている。
(原文:https://www.khmertimeskh.com/50628072/the-smearing-of-cambodia-washingtons-psy-ops-in-full-flight/)