中国の一帯一路と対ラオス鉄道支援
メコンを渡る国際列車に乗って考えたこと

  • 2019/10/9

「陸の孤島」から「陸を結ぶ」国へ

 中国、ベトナム、カンボジア、タイ、そしてミャンマーの計5カ国と国境を接している内陸国のラオス。フランスのインドシナ進出を契機に、独立を失って植民地化されたのが、19世紀の後半。同時に、メコン川を境にして同じ民族がラオスと東北タイに分断された。その後、米国とロシアの超大国に翻弄されたりもした。

ラオス・タナレン駅で発車を待つ国際列車(筆者撮影)

 こんな歴史を持つラオスにとって、鉄道は、「陸の孤島」から「陸を結ぶ」国へと変貌を遂げるきっかけとして、また、貧困からの脱却を実現する起爆剤として、大きな期待が寄せられている。

 メコンを渡る鉄道に乗りながら、気になるラオスの高架鉄道の今後について考えた。あえて言うなら、「アニッチャ」(ラオス語で、諸行無常の意)だろうか。すべてはメコン川の悠久の流れと同様、常に変化し、移り変わっていくのかもしれない。ふと、ラオスの人々の気質を表す「ボーペンニャン」(ラオス語で、大丈夫、なんとかなるの意)という言葉が頭に浮かんだ。

 大国に負けないラオスのしたたかさを期待したい。

 

 

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