アメリカのトランプ政権に翻弄される世界
南アジア紙は「意のままに行動し気まぐれに標的を選ぶ」と強く警戒
- 2026/2/18
ベネズエラに対して年始に軍事行動に踏み切って以来、アメリカのトランプ政権は国際協調や多国間主義を揺るがす発表を次々に続けている。1月7日には、国連をはじめ、66の国連組織や国際機関、条約などからの脱退を指示する大統領令に署名。グリーンランドの領有にも意欲を示したほか、反政府抗議行動が広がったイランに対して軍事行動の可能性も示した。
気候変動緩和の行方を危惧するスリランカ紙
スリランカの英字紙デイリーニューズも、1月19日付の社説でトランプ政権による国際機関からの脱退を取り上げた。
同紙がこの記事で強い懸念を示すのは、気候変動対策への影響だ。社説は、「アメリカが気候変動枠組み条約に加え、地球温暖化に関する科学分野で最も権威のある機関であり、最も信頼性の高い報告書を作成する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)からも脱退した」と述べ、「気候変動緩和努力に対する警告だ」との見方を示した。
さらに社説は、「世界的な協力と再生可能エネルギーへの転換を促進することこそ、気候変動を緩和する唯一の解決策である」と述べ、「そのためには科学的な研究が不可欠だ」と指摘する。しかし、トランプ政権はこうした科学的研究の推進にも極めて消極的だ。
気候変動に起因する自然災害による被害を受けているスリランカにとって、気候変動を緩和する動きに逆行するトランプ政権の姿勢は致命傷だ。社説は、「多くの科学者が気候変動は人類存亡の危機だと位置付けている。この問題への対策からアメリカの資金が引き上げられたことで、気候変動緩和の行方は暗たんたるものとなった」と、深く嘆いている。
インド紙は現実的な計算で影響の最小化を訴え
また、トランプ大統領は1月12日、イラン政府が反政府デモを鎮圧したことへの制裁として、「イランと取引する国には今後、25%の関税を課す」と自身のSNSに投稿し、即時適用すると発表した。これに反応したのが、インドの英字紙タイムズオブインディアだ。同紙は「正しい取引をせよ」と題した社説を1月13日付で掲載した。
社説が言う「正しい取引」とは、アメリカとの取引のことだ。社説は、トランプ大統領による25%関税について、「虚勢かもしれないが、われわれはトランプ大統領がいかに意のままに行動し、気まぐれに標的を選ぶ人物なのか目の当たりにしてきた以上、この脅威を軽視すべきではない」と指摘。「自国の連邦準備制度理事会(FRB)議長さえ執拗に追及する人物に対し、警戒を怠ってはならない」と、強く警告した。
ロシア産原油を輸入しているインドは、昨年8月以降、すでにアメリカに対して25%の懲罰的関税を負担している。これについて、インドは「中国やトルコなど、ロシア産原油を輸入している国はほかにもあるのに不公平だ」としながらも、「ロシア産原油の輸入は、(アメリカから懲罰的関税を課せられても)節約効果が大きい」と、現実的に計算している。
その一方で、イランに対しては「ほとんど利益を得られない」と言い切る。そして、「抗議者に対するイランの残忍な弾圧は、連帯を示す相手としてふさわしいとは言えない」と指摘。「イランから輸入を続けて懲罰的関税を課せられるよりは、ほぼ1年遅れているトランプ大統領との貿易協定締結に注力すべきだ」と、主張した。トランプ政権の政策に振り回されるインドは、きわめて現実的な計算に基づき、影響を最小限にせよと訴えている。
(原文)
インド:
https://timesofindia.indiatimes.com/blogs/toi-edit-page/do-the-right-deal/
スリランカ:
https://dailynews.lk/2026/01/12/editorial/931612/follow-the-science/













