「まず知ってほしい」在日ミャンマー人たちの願い
命を懸ける祖国の仲間と心を一つに日本で闘う若者たち
- 2021/4/17
広がり始めた活動
活動を始めて1カ月半。素通りされたり、怪訝な目で見られたりすることもあるが、「ニュースで見ました、負けないで」「ミャンマーに旅行したことがあるので心配しています」「高校1年生の僕にできる事はありますか」などと声をかけられることも増えてきた。飲み物やお弁当の差し入れが届くこともあれば、募金を呼びかけていないにも関わらず、思いがけずお金の入った封筒を手渡されることも何度かあった。「小学生の男の子からもらった封筒の中にお金と手書きの応援メッセージが入っているのを見た時は、胸が熱くなりました」と新井さん。寄せられたお金は全額チラシの印刷費に充てている。
最近、北海道や静岡、横浜の在日ミャンマー人たちも、Know Us More Myanmarのサポートを受けてチラシの配布を始めたほか、仙台や関西地方では日本人大学生との連携も進むなど、活動は着実に広がりつつある。日本人ボランティアの数も回を重ねるごとに増えてきた。「原宿駅でミャンマーのチラシをもらってから調べてみた。現状を知って衝撃を受けた。ミャンマーを助けたい」というツイートを見つけて確かな手応えを感じたというウィンさんは、「今までは知ってもらうことを目的に活動してきましたが、今後はアクションを起こしたいと思ってくれた人の受け皿もつくりたい」と意気込む。
この日の終盤には、駆け付けた日本人サポーターらが英語で歌う「民衆の歌(Do you hear people sing ?)」も原宿の街に響いた。フランス七月王政打倒のために蜂起した市民らを描いたミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌だが、「バリケードの向こうに君の望む未来は見えるか」「君が自由な者である権利を守るための闘いに加われ」という歌詞が今のミャンマーの姿に重なり、前述の5曲とともに市民を鼓舞している。
一人一人が「自由な者」として「望む未来」をつかみ取ろうと命を懸ける祖国の仲間たちと心を一つにして、ここ日本で闘っている若者たちの声に、どうか耳を傾けてほしい。