教授言語を英語からウルドゥー語へ
多言語国家の悩み深いパキスタン

  • 2019/9/4

国語育成の難しさ

 さらに、社説はこう述べる。「強固な主張と高い見識をもって民族のアイデンティティーを考えなければならない時代に、あたかもすべてのパキスタン人にとってウルドゥー語が日常使われている母語であるとの理屈を押し進めることには、注意したい。調査対象地の人々がすべてウルドゥー語を母語としていると決めつけるのは、実態からかけ離れている」。 

 実際、ウルドゥー語が母語である人は、パキスタンの全人口の1割に満たないと言われている。ウルドゥー語は、多くの人にとって「第二言語」に過ぎないのだ。過去には、ウルドゥー語の公用語化に反対する人たちもいた。

 パキスタンは、多言語・多民族国家である。社説は、「国語を育て、広く浸透させることができていない状態が、この国の識字率を押し下げる一因になっている」と指摘する。実際、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)の資料によると、パキスタンの識字率は約58%。179カ国中161位と下位にある。

 

(原文:https://www.dawn.com/news/1502077/from-english-to-urdu

 

 

固定ページ:
1

2

関連記事

ランキング

  1. (c) 米屋こうじ バングラデシュの首都ダッカ郊外の街で迷い込んだ市場の風景。明るいライトで照…
  2. ミャンマーで国軍が与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏らを拘束し、「軍が国家の全…
  3.  ミャンマーで2021年2月にクーデターが発生して丸3年が経過しました。今も全土で数多くの戦闘が行わ…
  4.  2024年1月13日に行われた台湾総統選では、与党民進党の頼清徳候補(現副総統)が得票率40%で当…
  5.  台湾で2024年1月13日に総統選挙が行われ、親米派である蔡英文路線の継承を掲げる頼清徳氏(民進党…

ピックアップ記事

  1. ミャンマーで国軍が与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏らを拘束し、「軍が国家の全…
  2. ミャンマーで国軍が与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏らを拘束し、「軍が国家の全…
  3.  フィリピン中部、ボホール島。自然豊かなリゾート地として注目を集めるこの島に、『バビタの家』という看…
ページ上部へ戻る