アジアの「汚職度」ランキング 「政治とカネ」で揺らぐ各国の事情
タイ、ネパール、パキスタン 低迷する「腐敗認識指数」に高まる危機感

  • 2025/4/4

 世界各国の汚職や政治腐敗の状態を数値で示す、トランスペアレンシー・インターナショナルの「腐敗認識指数」が2月11日に発表された。クリーン度を100点満点とし、点数が高いほど汚職が少ないことを示す。最も汚職が少ないとされたのは、90点を獲得したデンマーク、逆に最下位は南スーダンで8点だった。

(c) Tima Miroshnichenko / Pexels

怪しい街灯にむらがる中国マフィア タイの政治腐敗

 タイの英字紙バンコク・ポストは、2月15日付の社説「汚職はいまだに問題だ」で、タイの汚職体質について嘆いた。

 社説によると、タイの「腐敗認識指数」は34点で、前年の35点から1点下降した。順位は107位で、この調査対象に入っていないブルネイ以外の東南アジア9カ国の中では5番目だ。域内でタイよりクリーンとされたのは、第3位のシンガポール、57位のマレーシア、88位のベトナム、そして99位のインドネシアだ。一方、タイより汚職度が高いとされたフィリピンとラオスは33点で、タイとはほぼ横並び。次いで、158位にカンボジア、域内最下位は168位のミャンマーであった。

 社説によれば、タイの汚職指数が悪化した理由として、タイ国家汚職対策委員会は「ポピュリスト政治によって、公的資金が私的利益のために使われている」などと指摘しているという。しかし社説は、「行政のあらゆるレベルで汚職がまん延している」と指摘する。その一例として、「いくつかの地方で急増している不審な街灯」を挙げ、「高価すぎるうえに、数が過剰」として、その調達を疑問視している。また、中国マフィアが関与する「グレーなビジネス」の取り締まりが不十分であることも挙げた。

 社説は、「タイ政府は汚職の根絶を試みているものの、ほとんど成功していない」として、対策が急務だと主張している。

ネパールでは汚職への怒りが反乱を呼ぶか

 ネパールの英字紙カトマンドゥポストも、同じくトランスペアレンシー・インターナショナルの「汚職認識指数」について、2月13日付の社説でとりあげた。

 社説によると、ネパールの獲得点数もタイと同じ34点で、107位。世界平均は43点だが、「50以下の点数は相対的に汚職が多いとみなされる」という。

 ネパールでは、政権が変わっても、「汚職防止」が、常に最大の政治課題の一つとなっている。しかし状況は一向に改善されない。「汚職はこの国の政治に深く根を張っており、上層部から浄化する必要がある」と、社説は指摘する。

 「ネパールはおよそ10年ごとに反乱がおきる。今、ネパール国民には反乱を起こす政治的大義はほとんどないものの、汚職に対するフラストレーションは国民の限界に達している。指導者たちが国民の声を聴くのが早ければ早いほど、彼らは長く為政に携わることができるだろう。さもなければ、彼らは墓穴を掘ることになるだろう」

気候変動対策のために信頼を取り戻せと訴えるパキスタン

 パキスタンの英字紙ドーンも、2月13日付の社説で「腐敗認識指数」をとりあげた。パキスタンの点数は27点で、前年より2点下がったという。

 社説は、今回のトランスペアレンシー・インターナショナルの報告で指摘されたある点を、特に重視している。それは、「気候変動関連の政策への影響」だ。報告は、「汚職によって環境政策が妨害され、気候変動対策の資金が奪われ、最も弱い立場の人々を救済できない状況になっている」と懸念している。

 パキスタンは、洪水や干ばつなど昨今の気候変動の影響を受けやすく、深刻な災害に見舞われている。社説は、「気候変動に対応するために、パキスタンは国際パートナーやドナーと協力する必要があるが、こうした取り組みは財政運営の不手際に対する根強い懸念によって損なわれるリスクがある」と、警鐘を鳴らしている。

 

(原文)

タイ:

https://www.bangkokpost.com/opinion/opinion/2961370/corruption-still-a-problem

ネパール:

https://kathmandupost.com/editorial/2025/02/13/rotting-from-the-head

パキスタン:

https://www.dawn.com/news/1891594/corruption-ranking

 

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