ミュージカル『My Life Plan』で伝える自由と平和への願い
劇作家の嶽本あゆ美さん「世界への共感を創造する舞台を」

  • 2022/8/13

疑似体験を通じて相互理解を進める

 嶽本さんが目指しているのは、歴史にせよ、社会にせよ、「現実にコミットメントするような演劇」だという。演劇は、映画と異なり基本的に一度きりだからこそ、演じる側も、そして観る側も、膨大なエネルギーを必要とする。また、多くの人に届けるという点では、効率も良くない。
 しかし、「実際に体験することが難しい状況の描写であっても、俳優が目の前で演じることでこそ、深く伝えられることがある」と考えている。「スローガンにとどまらず、観客が疑似体験して共感できるものを創造することによって、相互理解を進めたい」と、演劇ならではの伝え方に使命感を燃やす嶽本さん。「来年はさらに長編舞台も上演したい」とも意気込んでいる。
 「どんな特別な事件であっても、人間が起こしたものであれば、特別だとは思えません」「演劇が人間について考えるツールや機会を提供することで、声を上げにくい人の代弁者になることが可能です」

劇作家の嶽本あゆ美さん(左)と内野さん、平良さん(筆者撮影)

 いつか叶うはずだった願いが突然奪われ、あるいはくさびを打ち込まれて進められずにいるサラやリヴィ。2人のライププランは、今、どこにあるのか。そして、彼らと私たちの違いはどこにあるというのだろうか。「死んだ家族、財産、友達、自分の街。どうやって取り戻せばいい?」――。返ってこない答えを待ち続けるかのように所在なさげに悲しく宙を漂うリヴィの叫びは、私たち一人一人に自分の人生を生きる意味を問いかけているようでもある。

 『My Life Plan』は、8月14日に東京・荻窪の「オメガ東京」で、『ともしび ー恋について』の千秋楽後、引き続き上演予定(オンラインでも配信予定。2週間はアーカイブでも視聴可能) → https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/713

 

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